「いま、論語を学ぶ」

昨日から「いま、論語を学ぶ」(渡部昇一谷沢永一、ワック刊)を読み始めた。この種の本は午前中の一時間程度、できれば毎日少しずつ読み進めていくことにしている。
 
論語」については、小生が尊敬する歴史研究家・森友幸照先生から長い間、先生の著作を使って講話を聴いてきた。森友先生は幕末、明治維新の研究を続けながら、その相関として、中国古典を深く修められていた。人生の迷いのときには、いつも「基本から見つめ直す」姿勢が大事だと教えられてきた。
 
83歳になられたがいまでも現役で、著作を毎年2冊程度出版し、ほぼ毎週、講演会にでかけて活躍している。もう40年間も指導を仰いできたことになり、そのわりには小生の成長は芳しくない。日経のCMではないが、「勉強、勉強!」だ。が、年のせいか、なかなか深まらないのだ。来週木曜日のお昼にお会いして、食事をすることになっている。
 
この年齢の有識者の特徴は、教養主義の重視である。幅広く書を読み、絵を鑑て、文章を書く。こうした勉強の積み重ねが、重厚な知恵となってわれわれ後輩の心を打つのだ。いわゆる、碩学なのである。渡部昇一氏、谷沢永一氏も森友先生とほぼ同年代のオピニオンリーダーである。これらの人々の発言には精緻な襞(ひだ)が織り込まれている。「いま、論語を学ぶ」は渡部、谷沢両氏の対談形式で「論語」の魅力を語り合っているものだ。谷沢氏に言わせれば、「論語の凄み」である。
 
この本と同時に、森友先生の「明治のリーダーたちに学ぶ今」(東京堂出版刊)をもう一度じっくり読み直すことにした。新しい日本のために挑戦した不屈の企業家精神を確認するためだ。その人々の心の奥には「論語」がある。本の帯には「最後まであきらめず、強い気持ちで攻め続ける」とある。やってみます、森友先生!