イカのゴロを食いたい

 函館でイカがまったく不漁だとニュースが伝えた。イカの代わりにブリが豊漁だという。海水の温暖化が影響しているらしい。そういえばここ数年、秋~冬にブリが届いている。

 

 「秋イカ上がらず」と漁師は嘆き、函館朝市はブリ料理で地域おこしを図っていくという。ブリは大好きだが、スルメイカも食べたい。その豊潤な甘味は、夏バテの脳みそを蘇らせる。

 

 きのうの晩飯にイカの刺身に茹でた甘エビが乗っかっていた。キュウリの千切りと混ぜてワサビ醤油で食べた。夏バテ気味の身体が喜ぶ究極の一品だった。まさしく故郷の味。

 

 この時期に水平線上に最期のイカ釣り漁船の灯りが並んだ。その漁火に、イカは漁船の下に陰を求めて集まる。かつて父からそんな話を聞いた。イカの新鮮なゴロ(肝)を食いたい。