鮭氷頭(ひず)の酒粕味噌鍋

大きな鮭の頭が朝からドンと台所にあった。鍋料理のための解凍だった。夜に帰宅した家人はその鮭の頭に白菜、大根、人参、エノキ、深谷ネギを入れ、程なく完成。迷わず真っ先に氷頭(ひず・鼻先の軟骨部分)にしゃぶりついた。「甘い!!」。
積丹の義弟がつくった薄塩新巻で、特大。家人が切り身にした。これは主に焼き、フライ、シチューになる。特別格の頭を鍋にする機会を狙っていた。寒い夜が続くので、「きょうは酒粕味噌仕立てで」と来た。「OK、ベーリーグッ!!」。
大き目の皿に頭を開いて取り出した。すかさず鼻先からかぶりつき、齧(かじ)った。顔の軟骨が複雑骨折を起こしたように砕けた。甘いコラーゲンが口中に広がった。啜(すす)った、これだからやめられない。眼玉周りの白いジェル膜も吸い込んだ。
 今回の鮭は例年以上に大きく旨い。塩加減の勝利だろう。義弟殿、マジックありがとう。汁にご飯を入れて〆にした。わが家の七草がゆ。今年もスタートは口福感で上々だ。暖かくなるまで少しずつ持久力をつけたい。冷静に頑張る。